未来型ヘッドマウントディスプレイ
東芝は11月24日、フルフェイス・ヘルメット型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の開発を発表した。宇宙飛行士のヘルメットのような装置に、直径40cmのドーム型スクリーンとプロジェクター、および超広角レンズを内蔵し、全方向に800×600ピクセル画像を映し出すことができる。
これまでに「東京流行通訊」で紹介してきたものは、どれも市販されている眼鏡型のHMDであったが、この新型HMDは頭部全体を包んでおり、文字通りのフルフェイス・ヘルメット型である。周囲が見えないため、集中度も非常に高くなる。
言いかえれば、自分の視野の範囲すべてをリアルに表示することができるということだ。例えば、超広角カメラを遠隔地の会議室に置いておけば、現場にいるという気分を体感することができる。近頃IT企業では「テレビ会議」が流行しているが、2次元ディスプレイの欠点を克服することができず、特に一人だけで遠隔地にいると、どうしても疎外感を感じてしまいがちだ。だが、この新式HMDがあれば、それが解消されるかもしれない。
ネット上ではこの東芝の発表に対して様々な意見が出ているが、高画質に期待するよりも疑問を持って成り行きをうかがっている人が多い。「重くて、肩がこってしまうのではないか。」、「動画を見ていたら、30分で耐えられなくなるだろう。」、「宇宙飛行士みたいでおかしい」……。読者のみなさんも、この写真を見て同じような感想を持たれたことだろう。
だが、この未来型HMDを開発したのは天下の東芝である。近い将来、改良を重ねて、より精巧で美しくなったヘッドマウントディスプレイが発売されることになるかもしれない。
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