伝統的な日本の家紋
日本の「家紋」についてご存知だろうか?
家紋は姓名と密接な関係がある。姓名は文字によって表現されると「名前」になるが、図案によって表現されると「家紋」になるのだ。約900年前の平安時代、公家たちが他家の牛車と区別するために車に様々な図案を刻印したのが家紋誕生の由来だと言われている。後に鎌倉時代には、武士たちが幟(のぼり)や陣幕に家紋を描いている。
西洋の紋章にも似たような意味があるが、西洋では個人を単位としているのに対し、日本の家紋は家族を単位にしている。西洋では、親子兄弟であっても紋章には厳格な区別をする慣例があった。
最も代表的な5つの家紋をご紹介しよう。
片喰(かたばみ)は、ハート型のかたばみを原型とする。木瓜(もっこう)は、卵や幼鳥が入った鳥の巣を変形して作られた。藤(ふじ)は、奈良時代の観賞用の藤の葉と花で構成される。柏(かしわ)は、新しい葉が出る前の古い葉が落ちない様子を描き、子孫を守る意味がある。鷹の羽(たかのは)は、鷹の勇猛果敢さを表現する。
現在、たった半数の日本人しか自分の家紋を知らないそうで、若者で知っている者は20%に満たない。家紋という日本独特の文化遺産は、継承され発展していくことができるのだろうか?(本文は雑誌「R25」の文章をリライトした) |