ケイタイで長編小説を執筆
「いじられたらそれでおしまい。ここは戦場なのだ。」――世界初の、全編ケイタイで入力して書かれた長編小説が、「第1回野生時代青春文学大賞」を受賞した。作者は何と17歳の高校生である。
角川書店とフジテレビが行なったこの文学創作コンクールは、他の文学賞が選考委員によって選ばれるのとは違って、ネット上の投票と書店員の意見によって決定する。その結果、東京在住の高校2年生、木堂椎(こどう・しい)くんの「りはめより100倍恐ろしい」が栄冠に輝いた。
この作品は、さまざまな高校生の個性を描いた青春小説で、タイトルの意味は、主人公にとって、同級生の「いじり」の陰険な攻撃は、一般的意味である「いじめ」より恐ろしいということを言葉の最後の一字で示したものである。
木堂椎くん(ペンネーム。本名と学校名は公開されていない)は、ケイタイでこの小説を創作し、電子メールで応募した。400字詰め原稿用紙に換算すると約250ページ(約10万字)に相当し、2ヶ月以上の時間がかかったと思われる。
今回のコンクールに集まった長編小説は全部で942篇で、賞金は100万円である。木堂くんは「勉強時間や睡眠時間を削って書き続けた甲斐があった」と受賞の喜びを語っている。 |