感動的な「HAPPY NEWS」
世界では毎日毎日、ニュースが洪水のように溢れている。政治、経済、文化、芸能……、我々は映画やテレビ、雑誌、本などから大量の情報を得ている。そしておそらく無意識に、誰もが自分の必要に応じて情報を選び取っている。しかし、戦争、テロ活動、殺人事件など、最近のニュースには恐ろしい内容が増えている。我々の住む世界は、そんなに暗くて希望のないものになってしまったのだろうか?
日本新聞協会が主催する「 HAPPY NEWS 2004 」のイベントでは、人々を感動の涙に誘ったり、大いに笑わせたりしたニュースを 40 件あまり選んでいる。「Honobono」「Ahaha」「Pachipachi」「Poroporo」「Yatta!」の五章にまとめてマガジン・ハウスから出版され、大きな話題を呼んだ。
雪で真っ白に覆われた広場で、誰かが足跡を使って巨大な小熊の顔を描いた。女の子の笑顔そっくりのじゃがいもが取れた。誰も泥棒をするはずのない島で財布が盗まれたが、実はカラスが犯人だった。受験生が大学の試験時間に間に合うように、急行列車が本来は停まらない駅に停車した。……どれもこれも本当に小さな小さなニュースばかりだが、心を温かくする力を持っている。このような小さな物語こそ一生忘れがたいものになるのかもしれない。
「ほんの小さなニュースなのに、 信じられないできごとに涙が出た 。」「日常生活の中で本当に起こったことは、へたな小説よりよっぽど感動的だ。」……読者の感想を読んでいると、いやなことばかりに見える世界は錯覚であって、実は我々は「ハッピー」に満ち溢れた柔らかなカーペットの上を歩いているのかもしれないという気持ちになる。我々は人生に自暴自棄になってはいけない。この小さな本が出版されたこと自体が、すでに十分ハッピーなことなのだから。
「HAPPY NEWS」日本新聞協会 +HAPPY NEWS 実行委員会編、マガジンハウス刊、定価 1000 円。 |