東京ストリート陸上

首都中心部の大通りを選手たちが猛スピードで駆け抜け、ハードルを次々に越えていく。道行く人々の目が彼らの疾走する姿を追いかける。……こんな驚くような光景が、先週の日曜日の東京で繰り広げられた。2001年はエドモント、2005年はヘルシンキの世界陸上男子400メートルハードルで銅メダルを獲得した為末大が発起人となった「東京ストリート陸上」が5月27日、丸の内仲通りで行われたのである。

正式のトラックではなく一般道路でこのような陸上競技が行われるのは、前代未聞の試みであろう。普段は何気なく通行している路上に、突如陸上トラックやハードルや棒高跳びのバーが出現し、日本のトップレベルの陸上選手たちが通行人のすぐそばを颯爽と走り抜け、跳躍するという夢のような情景が展開したのだ。2500名の観衆が通りの両側に集まって競技を観戦し、あちこちで起こる歓声が日曜の東京の空に響きわたった。

陸上競技はオリンピック公認競技であり、世界三大人気スポーツの一つとしてのステータスがあり、常に注目を浴びる存在だ。しかし日本では大人になるにつれて 、競技人口が減少する傾向がある。トップレベルの選手たちはそれを非常に憂慮していたが、去年の9月、為末大選手がテレビのクイズ番組で1000万円の賞金を獲得し、番組の中で「為末杯の開催」を宣言し、さらに彼の所属スポンサーである「 アジアパートナーシップファンド」を初めとする各企業の広範な賛同を得て、ついに今回「東京ストリート陸上」が実施されることになったのである。

短距離選手たちはバイクなみのスピードで駆け抜け、棒高跳びの選手は信号機ほどの高さに飛び上がる。競技場の観客席から遥か遠くの選手を眺めるのではなく、すぐ目の前で選手たちの活躍を見るのは、実にダイナミックだ。 非常に近い場所から「速く」「高く」「遠く」へ移動するのを見るという、陸上競技が勝敗以前の段階で持つ魅力に 、通行人もみな足を止める。指定された観戦ゾーンだけでなく、付近のビルの窓も観客に占領され、休日の東京は熱い熱気に包まれた。

東京ストリート陸上公式サイト http://www.tokyostreet.jp/

珍しいビール大集合

●チョコレートビール
インペリアルチョコレートスタウトの意味は、「アルコール濃度が高いチョコレート風味の黒ビール」ということである。味は甘すぎず、8.4%のアルコールを含むスイーツビールだ。神奈川県厚木市にある地ビール会社のさきがけ、サンクトガーレンがバレンタインデー用に特別に醸造したもので、330ml、価格は630円である。

●スイーツビール
チョコレートビールの売れ行きがよかったために開発された商品で、「黒糖スタウト」と「スイートバニラスタウト」の二種がある。前者は泡にまでおいしい黒糖の風味があって、和菓子ふうの味わいがあり、後者は基本的な黒ビールで、チョコレートのような後味が残る。両者共に6.4%のアルコールを含み、230mlで価格は450円である。

●こどもビール
もちろん未成年者はビールを飲むことができない。そこで登場した「こどもびいる」という名前の炭酸飲料が子供たちに大人気で、注文しても1ヶ月以上待たなければならない状況だ。色も泡も見たところはビールとそっくりだが、実はリンゴ味の炭酸飲料なのである。

●ミルクビール
ミルク＋ビール＝ビルクという名前のこのビールは、余りぎみの牛乳を処理するためにビールに使ってみたところ、大成功した飲み物である。このビールには牛乳が30%含まれ、カルシウム不足の日本人には最適だ。普通のビールよりおだやかな味わいで、かすかにミルクの甘い香りを感じる。一本380円である。 （謝晨執筆）

日産の「パワードスーツ」

日産自動車では、2年4ヶ月の時を経て、ついに流麗でダイナミックな外観で、車と一体感のあるコックピットを持ち、俊敏性と安定性を兼ね備えた ミドルサイズクロスオーバーSUV 「DUALIS（デュアリス）」を発売した。排気量は2.0リッ トル、価格は195万円〜243万円である。そして都会の男性たちの注目を集めるために、「車の化身」とも言えるキャラクターが創り出された。

DUALIS誕生と同時に、「パワード・スーツ　デュアリス」が突如出現して、現代の大都市を駆け巡っている！「パワード・スーツ」とは「強化防護服」のことで、操縦するロボットではなく、人間が装着することによって能力が拡張するスーツである。「パワード・スーツ　デュアリス」は、新型SUVの「DUALIS」の車体が人の体と完全に一体となるように変形したものである。

東京銀座の日産ギャラリーでは、5月23日から6月13日まで、高さ3.5メートルの巨大な「パワード・スーツ　デュアリス」が登場し、来場者たちを驚かせている。デザインしたのはアニメーション監督であり、可変メカニックデザインで有名な河森正治氏である。彼の作り上げた「パワード・スーツ　デュアリス」は、六本木交差点、立体駐車場、東銀座の昭和通り、ガソリンスタンドなどに出現している。さて、次にはどこに現れるのだろうか？

「パワード・スーツ　デュアリス」の足跡について、デュアリスの特設サイトでは、「首都高の高架から飛び降りて去る」、「立体駐車場から出て行く」、「ガソリンスタンドに立ち寄る」、「グループで道路を駆け回る」などのオリジナルムービーを楽しむことができる。

このような変形する自動車を本当に開発できたなら、かすったりぶつかったりしない車や自動的にガレージに入ってくれる車を期待できるかもしれない。

SUV 「 DUALIS 」公式サイト http://www.sanktgallenbrewery.com/

日本珍道具学会

「日本珍道具学会」を聞いたことがおありだろうか？これは1992年に川上賢司さんが設立した団体である。元々雑誌編集者だった彼は、固定概念を捨てた柔軟な発想を養うために、「珍道具」の製作を始めた。珍道具は手作りにこだわり、靴のつま先にセットできる「つま先傘」、花粉症のときに便利な「頭上トイレットペーパー」、満員電車で天井にくっつけて使う「マイ吊り革」、先に棘がついていて煮豆をつまむのに便利な「豆刺し箸」など、見たこともない珍しいものが作り出されている。

15年間に川上さんは700以上の「珍道具」を発表した。それらの作品を紹介した著作「『逆理』の発想」（1〜3巻、ビデオ出版）は英語、ドイツ語、スペイン語など5ヶ国語に翻訳され、ニューヨークやサンフランシスコでも紹介され、イギリスのBBCが何回も取材に来るなど、注目を浴びている。

「食後のマナー用の手」は爪楊枝を刺したシリコン製の手で、他人に口を見せないで歯をきれいにすることができる。「剣山目覚まし時計」は、アラームを止めるスイッチの周囲に剣山がついていて慎重にさぐらないと止めることができない。「携帯事務机」はノートパソコンから事務用品まで完備している。「地下鉄車内睡眠スクリーン」には目的地が書かれ、起こされたときにはちょっと恥ずかしい。

「珍道具」には、「実用になってはいけない」、「機能をもっていなければいけない」、「暮らしの道具であること」などの10ヶ条の信条があり、特に「金儲けは厳禁」という条項からは川上さんの理想主義を感じることができる。「視点を転換したところから生まれる様々なものを私は『逆理の発想』と呼んでいる。これこそ最大の珍道具なのである。」と川上さんは言う。

「日本珍道具学会」公式サイト http://www.chindogu.net/about.htm

不惑の年に旅立った歌姫

5月26日朝、ZARDのファンたちにとって思いもよらないできごとが起こった。坂井泉水が病院の芝生に倒れているのが発見され、救急処置が行われたが、スロープから転落した際の後頭部の脳挫傷が致命傷となり、翌日午後3時10分にこの世を去ったのである。享年40歳であった。

5月30日、東京町田市で近親者のみの密葬として葬儀・告別式が行われた。東京と大阪には献花台が設置され、全部で10000人あまりが訪れた。昨年10月発売のベストアルバム「Golden Best〜15thAnniversary 〜」は、オリコン史上初の300位圏外から3位への急上昇を達成した。韓国や台湾のメディアも一斉に報道した。

6月1日、テレビ朝日の「ミュージックステーション」で、1992年に初登場してから1993年の最後の出演までの坂井泉水の映像が放映された。長い間ZARDのボーカルを務めた坂井泉水は、常に神秘のベールに包まれていた。今、人々は少しずつ真相を追い始めている。

坂井泉水は歌手になる前、中谷美紀や常盤貴子らと同じ芸能プロダクションに所属し、女優として芸能界にデビューする準備をしていたらしい。しかし、当時音楽プロデューサーの長戸大幸がアーティスト系の美人歌手としてデビューさせたいと希望し、やがて歌手になることが決定した。

ZARDでデビューした坂井泉水は優れた歌唱力で次々にヒットを飛ばしたが、事務所の宣伝戦略によって、メディアに露出することはなく、そのミステリアスなイメージを強めた。1993年2月発売の不朽の名曲「負けないで」が話題を呼んでから14年の間、まったくテレビ出演しなかった。

病床にあってもコンサートツアーの計画を練っていたという坂井泉水は、人生の最後の瞬間までミステリアスなイメージに包まれ、私たちにいつまでも尽きない思いを残して去ったのである。

様々な色のアジサイが咲き競う六月、日本列島は徐々に梅雨の季節に入っていく。カラフルな傘が街を彩り始め、この季節特有の景観を作り出している。

日本人は好奇心から「中国人はどうしてあまり傘をささないのですか？」と不思議そうな表情で聞くが、日本の昨年の雨傘輸入量が1億3300万本と史上最高を記録したというニュースを華人たちが聞いたなら、一人が複数の雨傘を持つ意味について彼らは多くの疑問を感じることだろう。

ある単純な事実によって、この謎はあっさりと解ける。 JR が発表する電車や駅構内の忘れ物の統計によれば、毎年必ず雨傘がトップを占めて、他を遥かに引き離しているそうだ。車窓の景色がすばらしくて見とれてしまうのか、それとも車内の混雑が人を忘れっぽくさせるのか。いずれにしても駅の遺失物預かり所にはいつも膨大な数の引き取り手のない傘が堆積し、係員を悩ませている。

電車に傘を忘れた？駅を出て雨が降っていたらどうするのだろう？――心配する必要はない。また買えばいいのだ。90%が中国から輸入されている透明ビニール傘の値段は、ますます安くなっているのだから。――雨傘輸入量の激増の主な原因は、こんなところにあったのである。

だがもう一つ理由がある。それは、傘の機能の多元化だ。雨や日光を遮るだけでなく、ファッションも追求するようになったのである。原宿や銀座を歩く人々の傘について統計分析した調査によれば、原宿でビニール傘をさす人は60%、中国製ナイロン傘が30%で、1000円以上の傘はわずか10%だったが、銀座では状況が一変する。ビニール傘はわずか10%、中国製ナイロン傘が20%、無名メーカーの傘が30%、ブランドの傘は約40%だった！「歩く街に合わせた傘をさす」のは、意識の中で当然の基準になっており、二、三本の傘を所有するのも不思議ではないのだ。

私はいつも思う。いつか中国でも一人平均二、三本の雨傘を所有するようになったら、地球の資源はどのぐらい残ることだろう。これが杞憂であって、梅雨の季節の幻影に過ぎないことを祈るばかりだ。