3万人が東京の街を駆け抜ける

十日後の2月18日（日）、銀座、皇居、浅草などの都心の名所を3万人が走る壮観な場面が展開される。この第1回「東京マラソン」は日本国内で行われるこれまでで最大規模のマラソン大会であり、東京が熱気溢れる一日になることは間違いない。

参加の申し込みをした7万7521人のうち、抽選で2万5000人の参加が決定し、10キロコースや車椅子マラソンの参加者を合わせて、合計3万人が出走する。これまで親しまれてきた東京国際マラソンと違って、東京マラソンでは出発点の東京都庁からゴールのお台場までのルートにたくさんの名所や人気スポットが含まれている。また、もう一つ異なっている点は、歌舞伎町、日比谷公園、雷門、豊洲センタービルなどの沿道で様々な応援イベントが行われることである。東京マラソンはこれらのイベントによって大いに盛り上がり、多くの人が楽しめる新しいタイプの祭典になることだろう。

沿道の応援イベントの主なものは以下の通りである。当日東京にいる人は、是非見に行ってほしい。
歌舞伎町商店街入口「東京六大学応援合戦」（9時10分〜9時40分）
日比谷公園「バンド演奏、伝統芸能、大道芸など」（9時30分〜15時）
芝公園「大江戸ダンス、ブラスバンド、大道芸など」（9時30分〜14時）
笹川記念会館前「都民公募による太鼓演奏など」（9時30分〜12時）
浅草雷門前「金龍の舞、浅草太鼓、江戸芸かっぽれなど」（9時50分〜14時）
豊洲センタービル前「都立高校生によるブラスバンドなど」（11時〜14時30分）
有明フィニッシュ「神輿、サンバ、音楽隊、チアリーダー、大道芸など」（10時30分〜16時10分）

初の「2画面携帯」

日本初の「2画面携帯電話」が今月発売になった。これは三菱電機がNTT DoCoMoのために開発したFOMA端末「D800iDS」で、サイズは49×21×106mm、重さ122gである。販売価格は2万円前後と予想されている。

携帯の上部がメインディスプレイで、下部のキーボード部分のディスプレイはタッチパネルになっており、使い方に応じて3つの操作モードが用意されている。文字入力はタッチパネルでキー操作してもいいし、手書き入力をすることもできる。「ボタンやキーを押せているかどうかよくわからない」という不安をなくすために振動デバイスが内蔵され、通話相手の声を聞き取りやすくする「明瞭トーク」も搭載した。サブディスプレイはないが、背面には90個のLEDが埋め込まれており、このLEDは、音声着信、テレビ電話着信、メール着信、チャットメール着信なども光って通知してくれるし、時間の表示も可能だ。

D800iDSの最大の特徴は、使用目的によって3種の操作モードを自由に選択できることである。タッチパネルに最も重要な三つのメニューアイコンが表示される「3キーモード」、普段使う機能を6つに集約した「6キーモード」、そして一般の携帯電話と同じ「10キーモード」がある。電話をかけたいのか、メールをしたいのか、電話番号は電話帳から選ぶのか、それとも着信／送信履歴から選ぶのかなどがタッチパネル上に表示され、説明書なしで直感的操作が行える。

「ジラソーレ」の日本デビュー

小さくておしゃれな電動自動車Girasole（ジラソーレ）が、イタリアから日本にやってきた。軽快に疾駆するその姿が、街の風景にファッショナブルな色彩を加え、その外観が道行く人々を振り返らせる。ストレスをまったく感じさせないこの車は、気楽なショッピングや近距離の通勤に適した魅力いっぱいの小型乗用車である。

ジラソーレとは、イタリア語で「ひまわり」という意味で、マンジャーレ（食べる）、アモーレ（愛する）、カンターレ（歌う）、ソーレ（太陽）といったイタリア人の人生を楽しむ感性を表現している。ひまわりは、イタリアを代表する花でもある。また電動自動車ジラソーレのコンセプトは「E-Car」である。EとはE-cology（環境）、E-conomy（経済的）、E-nergy（エネルギー）、E-arth（地球）、E-njoy（楽しむ）、E-xcite（わくわく感）、E-motion（感動）などを表している。つまりジラソーレは、環境に優しい車なのである。

イタリアのフィレンツェの中心地区は一般乗用車の進入が厳しく制限されているが、電動自動車は許可されている。キュートな電動自動車が静かに滑るように走る光景が、日本とイタリアの共同開発が行われる契機となった。電動自動車を日本の環境に適合させるため、元ラリードライバーの高岡祥郎氏がみずから指揮を取り、ヨーロッパとの電圧の違いなどの難題を解決し、数十項目の変更と改良を経て、ついにスタートラブ社の電動自動車「Open」の魅力溢れるデザインを残しつつ、安全性、経済性、高速性、耐久性、居住性において完璧を目指したジラソーレが開発されたのである。

バレンタインに楽しいキッチン用品を

まもなくバレンタインデーである。世の中は2.0の時代なのに、いまだにチョコレートを贈るのでは時代遅れだ。発想を転換して、楽しいキッチン用品で楽しむというのはどうだろう？

【マウスとチーズのスパゲティスケール】スパゲティをうまくゆでられないのは、分量をうまく量れないためということが多い。そんな悩みを救ってくれる救世主がこのマウス。このスケールで1人、2人、3人分のパスタを量ることができる。マウスとスライスチーズをモチーフにしたユニークなデザインで、キッチンがますます楽しい場所になるだろう。

【動物たちの晩餐会】イタリアのキッチンデザインブランド「VICEVERSA」（ヴァイスヴァーサ）のユーモアたっぷりの調理器具である。オクトパス（たこ）、クロコダイル（ワニ）、スネイル（巻貝）などの個性的な動物たちが特徴的にデザインされ、見ているだけで心が和む。バレンタインデーの夜にこれがあれば、思いがけないエピソードが生まれるかも。

【どっきりナイフスタンド】初めて見た時には本当にびっくりした。なんと人の形をしたナイフスタンドである。大小5種類のナイフがそろっていて、それぞれのナイフにはカバーがついている。ナイフスタンドの高さは約39センチである。なかなかドラマチックだが、使用時にはくれぐれも安全にご注意を。

チョコレート川柳

株式会社メリーチョコレートでは、毎年「バレンタインどきどき、ワクワク川柳」を募集している。今年は第10回で、日本全国からはがきやメールで3万件あまりの応募があった。バレンタインデーをテーマにしたこれらの川柳には、明るく楽しいものあり、知的なユーモアに溢れるものありで、審査によって100句の入選作が選ばれた。入選者には、バレンタインデーの前に5000円相当のメリーチョコレートが贈られる。

日本で最初はたった3枚、150円分しか売れなかったメリーチョコレートも、現在は年商700億円の巨大ブランドになった（日本のチョコレートの年間売上高4399億円のうち、バレンタインデーの期間の売上高は約16％である）。チョコレートは常に無数の喜怒哀楽の物語を生み出している。入選作のいくつかを読んでみれば、世情の一端を垣間見ることができるだろう。

記録より　記憶に残る　チョコ1枚
小さいが　愛の詰まった　チョコに泣き
見た目より　味で勝負よ！　私とチョコ
友情を　超えたい想い　チョコに込め
告白前　自分もチョコ食べ　勇気だす
父にチョコ　くれて娘は　まだ独り
妻チョコの　味かみしめる　定年後
「チョコあげる｣　メールは来るが　チョコ来ない
自慢チョコ　レシート出てきて　妻にバレ
夫より　息子のチョコに　嫉妬心

異国の古本屋「BOOK OFF」の果てしない日本語書籍の海の中で、台湾の尖端出版社発行のこの中国語書籍を見つけたのは、まったく偶然のことだった。

最初に目に入ったのが、表紙の「月島西仲通り」の芸術的な写真だったので、我が家のすぐ近くの、「もんじゃ焼き」の雰囲気に満ちた商店街のガイドブックなのだろうかと思った。以前からよく耳にしていた「石田衣良」という著者の名前にも興味を引かれた。そして、五分後にはこの「4TEEN」の世界に浸りこみ、目黒川の流れる水音を聞きながら、14歳の青春の日々に戻っていた。

東京湾に静かに浮かぶ月島。境遇はまったく違うが、たいへん仲のよい四人の少年たちは、放課後になると自転車に乗って集合し、恋愛や家庭について悩んだり、困惑したり、いらだったり、傷ついたりする。しかし彼らは自分を信じ、友情を信じ、互いに励ましたり慰めたりしながら成長していく。14歳という多感な年齢の少年たちは、援助交際、不登校、ホームレス、ドメスティックバイオレンスなどを直視せざるを得ない。だが、初春の風のように感じたものは、さわやかな、男性だけが深く感じることのできる真摯な思いであった。

かすかに春らしさを感じ始めた午後に、まるで軽快な自転車に乗っているように、心が石田衣良の世界の中でのびのびと風を受けて疾駆する気分だった。

小説と現実は時として紙一重である。生真面目な説教は、往々にして凡庸であったり滑稽であったりするものだ。生き生きとした細やかなストーリーだけが、主人公たちの運命の瞬間を表現することができる。石田衣良はさすがに「現代の感覚をとらえる名手」である。彼の絶妙な設定と洗練された文体が、些細な日常とも思われる描写を通じて、その中に含まれる深い深い「希望」を感じさせてくれる。

14歳の世界はすばらしい。14歳の世界は如何ともしがたい。当時、中国の黄土高原で北西風に吹かれていた少年が、今日本で一冊の本「4TEEN」の中に、言葉にしがたい共鳴を感じている。不惑の年にふと振り返り、あの日はもう戻ってこないという淡い喪失感はあったが、疲労した心身が軽快になるのを感じた。

このかすかに春らしさを感じ始めた午後に、石田衣良の世界の中で、自転車のペダルを軽く踏みながら、心がのびのびと風を受けて疾駆していく……。

【編集部からのお知らせ】 2月16日（金）配信予定の第6号の「週刊東京流行通訊」につきましては、一週間延期して2月23日配信とさせていただき、代わりに「特集第6号」をお送りいたします。お楽しみに。