15年前の原宿は、日本の若者たちと日本にやって来る若者たちの楽園だった。
週末に原宿に足を踏み入れると、耳をつんざくような音楽と歌声があたりに満ち溢れ、様々の衣装を身に付けた数え切れないほどのグループが集まって、自由自在に歌ったり踊ったりしていた。演奏者も歌う者も、通りすがりの者も、わざわざやって来た者も、みんなが一つになって、週末の原宿という独特の空間の中で陶酔し、青春の無限のエネルギーを発散していた。多くの中国人留学生は、心から感慨深くこうもらした。「ここに来ると、本当の自由とは何かがよくわかる!」
15年後の原宿は、音楽と歓声はすでに消え去ったが、自由の精神は去ることがなかった。
様々なタイプの若者たちが、それぞれ特定の曜日に集まってくるという習慣がいつの間にかできあがった。月曜と水曜は前衛アーティストたち、火曜はニューウェーブの美容師たち、木曜日は肌をあらわにした少女たち、金曜日は落ち着いた大人たち。彼らは神宮前の交差点付近から四つの通りに向かって広がり、歩く者あり、立ち止まる者ありで、原宿の日常風景を作り出している。
前衛アーティストたちは古めかしい服装が好きで、渋谷のセンター街にいるような少女たちを馬鹿にしており、ブランドで自分の心や体を束縛することがない。美容師たちは多くが同業者としか接触がないため、ここに来て人々の服装や化粧や態度を観察し、自己の感性を磨いている。少女たちは、ここから渋谷の109までゆっくり歩く。彼女たちの多くは日焼けサロンで肌を焼き、薄手の服装で人々の目を誘う。一方大人の女性たちは、多くが表参道の高級ブティックに出入りし、優雅な気品に溢れ、髪を高く持ち上げ、目のあたりだけに薄い化粧を施しているだけだが、華やかで美しい。
15年間、世の中は瞬く間に変化したが、原宿は変わらない。
竹下通りを歩く中年女性たちは、過ぎ去った青春を懐かしんで夢中で記念写真を撮っている。群馬県から、あるいは台湾からはるばるやって来た少女たちもここに集まり、気に入った服を探している。狭い原宿は、昔と変わらない原宿だ。だが、ここは心楽しい場所である。なぜなら、毎週同じ曜日に、友人たちが遠方からやってくるのだから。 |