日本上空をいつもと変わらず通過する人工衛星が、夏至の夜に不思議な光景を撮影した。いつもは灯りが煌々と光り輝く日本列島が、突然光を失って暗くなり、周囲の海と渾然一体となってしまったのだ。
様々な色に変化するレインボー・ブリッジも、オレンジの鉄塔を夜空に向かって突きだしていた東京タワーもなくなり、大都市の喧騒も消えうせ、暗く静かな夜が次第に広がっていった……。
家の中のすべての灯りを消して、ベランダに静かに立って遠くまで深く広がる夜空を眺めていた。今夜は星が美しく瞬き、心地よい海風が吹いてくる。
四年前から、夏至と冬至の夜8時から10時まで、日本各地の多くの施設で灯りを一斉に消すようになり、「100万人のキャンドルナイト」のイベントが人々のあいだに静かに浸透していった。テレビのコンセントを抜き、ノートパソコンを閉じ、携帯の電源を切る。ろうそくの灯りで子供たちに絵本を読み聞かせる母親、ゆらめくろうそくの光でロマンチックに食事をする恋人たち、小さな火を見つめながら、同じ星空の下で生活する他国の生活を思う人々……そうして、生存の自由と考え方の多様性を人々に気づかせ、文明がさらに広がりさらに深まる可能性を発見させたのだった。
科学と技術は日々発展し、世界の進歩と人類の幸福を作り出すと同時に、環境破壊などの深刻な問題ももたらしている。「100万人のキャンドルナイト」のイベントは、「身近なところから」「小さなことから」という素朴な愛の表現なのである。
親愛なる皆さん、今年の冬至の夜、あなたも周囲の人を「おや」と思わせるイベントに参加してみませんか? 私たちと一緒に灯りを消してろうそくを燈し、一緒に「もっとすばらしい明日」を願ってみませんか? |