2006年6月23日第24号(通巻第40号) 毎週金曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

東京ファッション事情 ―ストリートからコレクションへ

村上隆のポップアート、宮崎駿のアニメ、サンリオのハローキティーなど、ここ数年、日本の現代アートへの注目は高まるばかりだが、ファッションの部門でも、東京の原宿界隈を中心とするキッチュなテイストのストリートファッションは日本のファッションとしてすでに海外で人気を集めている。しかし、最近、さらに広義の大人向けブランドファッションもターゲットに含め、ミラノやパリのコレクションをお手本に、クリエーターとバイヤー、プレスが一堂に会して作り上げる真の東京コレクションを作ろうという動きがでてきた。

以前からDCブランドという括りで、若手の日本人デザイナーの活動はあったが、彼らは個々に海外に進出して展示会を開いていた。これらの動きを日本国内で集約し、海外からバイヤーやプレスを日本に集めて東京コレクションを創設しようというものである。

「東京発 日本ファッション・ウィーク」(Japan Fashion Week in Tokyo)は去年秋に発足し、この春2回目を迎えた。主催者は、より多くのプレス・バイヤーの来場を求め、休日を中心に消費者が参加出来るイベントも行い、よりビジネスを意識した中身の構築を目指している。若いクリエーターによるコレクションの発表というお祭り気分たっぷりのマイナーイベントから、ビジネスを握るバイヤーとファッション業界をリードするジャーナリスト、服を提案するクリエーターの3者のプロ意識のぶつかり合う真のコレクション・イベントへ、成長していけるかどうかを注目していきたい。(西岡珠実執筆)
(C)2006 JFW in TOKYO
Japan Fashion Week in Tokyo公式サイト http://www.jfw.jp/ja/index.html
 
家電製品・IT情報

パソコンの動物園

熊、うさぎ、パンダ、りす……と言っても、動物園ではなく、パソコンの話である。この動物の形をかたどったパソコン「ふれんZOO」は、With IT Japan株式会社によって開発された製品である。もともとは幼稚園や保育園向けに作られたのだが、意外にも一般家庭からも販売してほしいという要望が相次ぎ、6月1日から正式にオンライン販売が開始された。

17インチの液晶ディスプレイと動物の形の筐体を組み合わせたもので、価格は79800円である。これと中古パソコンをセットにしたものは99800円、新品パソコンをセットにした場合は128000円となる。

「ふれんZOO」の筐体は、上に挙げた以外にも蛙、虎、ネズミ、猿、ひよこ、コアラがあり、全部で10種類である。素材は繊維強化プラスチックを使い、背面には持ち運び時に手をかけられる穴と配線口、側面には通気口などがあいており、本体のサイズは520×270×570mmである。

パソコンの詳細な機能についてはまだ公開されていないので、どのぐらいのレベルで使えるのかは不明だが(子供に聞いてもよくわからないだろう)、一般家庭ではホームページを見たりEメールを受け取ったりできれば十分だろう。だが、オタクたちはすでにネット上で、この最高にカワイイ筐体を使って最高速のパソコンを自作してみせると言っている。さて、お手並み拝見といこうか。

(C)2006 With IT Japan CO.,LTD.

ふれんZOO公式サイト http://www.frienzoo.jp/

 
芸能・ドラマ・音楽

中島敦の山月記

夏目漱石の「こころ」と並んで、高校の現代文の教科書の人気教材であるという中島敦原作の「山月記」。この名作を野村萬斎による構成・演出・出演の演劇『敦 −山月記・名人伝−』として世田谷パブリックシアターで9月1日から18日に上演されることになった。当プログラムは去年9月の公演の再演。

狂言師の野村萬斎は日本伝統芸能と現代劇との融合を目指して狂言のほかに、2002年から世田谷パブリックシアターの芸術監督として様々な舞台芸術活動を精力的に行っている。能・狂言・歌舞伎などの伝統芸能と、新劇・小劇場などの現代演劇のボーダーを越えた芸術を志向する。

確かに、原作は中国清朝の説話集『唐人説薈』中の「人虎伝」という古典の翻案であるし、幻想的な背景、化け物(現実のものではないという意味で)が主人公という表現方法は、能に脚色したら面白い題材だと思う。能を悲劇、狂言を喜劇と線引きするのは無意味だと主張する野村にはあつらえ向きの主題で、ひょっとするとこの劇は彼のライフワークになるのかもしれない。主人公李徴の悲痛な叫び、人間の自我、自意識の探求は、日本人の心の琴線に触れる永遠のテーマと言えるのではないだろうか。 Nyanya執筆)
(C)2004 MANSAKU Co.

世田谷パブリックシアター公式サイト http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/

 
イベント掲示板
日本のナンバーワ

日本一小さいジグソーパズル

東京のやのまん社が近日発売する「ジグソーパズル・プチ」はピンセットを使って組み上げるミニサイズ。ピースの大きさは約1センチと極小だが、完成時は官製ハガキ(147×100mm)と同サイズで、市販のポストカードフレームに入れる事ができる。68種類あり、99〜204ピースで525円。 

日本一長い運行距離で、日本一ゴージャスな寝台特急

「トワイライトエクスプレス」の運行距離は大阪〜札幌間1512km(東海道・湖西・北陸・羽越・奥羽・津軽・津軽海峡・江差・函館・室蘭・千歳の11路線を走行)。A寝台スイート(二人用一室) の特急券、寝台券(二人分)は57,280 円で、乗車券(二人分)は32,340 円で、合計(二人分) 89,620円となる。

日本一速い陸上交通機関

山梨リニア実験線のリニアは、2003年12月2日に行われた速度向上試験で、陸上交通機関の世界最高速度記録となる時速581km(有人走行)を達成した。速度向上試験は「営業線設備の最適設計を行うために、より高度に安全性・信頼性を検証していく」ことを目的に段階的に実施してきた。

日本一深い水中洞窟 龍泉洞(岩手県)

岩手県岩泉町にある天然記念物の鍾乳洞。全長は確認されているだけで2.5kmあり、5km以上あると推測されている。水深98mの第3地底湖、120m以上ある第4地底湖(未公開)、第5地底湖を持っていることで知られており、日本三大鍾乳洞に選ばれている。

 

 

【お知らせ】国際交流基金日中交流センターが事業シンボルマークを公募しています!10日間の訪日旅行の懸賞つきです。応募資格は中国国内に居住し中国国籍を有する方。年齢や職業は問いません。アマチュア、学生の応募も可能です。賞品として2006年度内(〜 2007年3月)に、10日間の訪日旅行が提供されます。

→東京の日常生活に密着しているからこそ、大変身近なメルマガだと思います。大好き!【香港 wang vivian】

→「東京流行通訊」を送っていただき、ありがとうございました。取材の参考にさせていただきます。【東京 古畑康雄】

→個人的には、マルチメディア型(動画と音声満載の)メルマガに目が向いています。シンプルな誌面が読みやすい利点がありますが、何となくものが足りないと気がします。【中国 宋唐明】

【編集部からのお知らせ】先日、中国語学習者向け人気サイト“中国語熱烈放送局”に本メルマガの発行人と編集長が招かれ、アラヤ株式会社と東京流行通訊についてのトーク番組を収録しました。このPodcasting番組は日本語(一部中国語)で現在公開中です。是非アクセスして下さい。ご感想をお待ちしております。

配信サイト
ALAYA
ゲーム・キャラクター

ワールドカップ関連グッズ

連日の観戦の疲れを癒していただくために、日本でデザインされた珍しくて楽しい「ワールドカップグッズ」をご紹介しよう。

だっこちゃん
BLUETAGが株式会社タカラトミーの賛同を得て、だっこちゃんのライセンスを取得し、ワールドカップバージョンの「サポーターだっこちゃん」を開発した。このだっこちゃんは限定5000個が生産され、6月17日から販売されている。ネットでの販売収入の5%が日本スポーツ振興センターの運営するスポーツ振興基金などに寄付される。


青いだるま
真っ赤な体のだるまさんは、成功を願って目玉を書き入れる縁起物として人気があるが、だるまの生産量日本一の群馬県高崎市では、日本チームのユニフォームをイメージした前代未聞の青いだるまが作られている。この青いだるまは高さ約17センチで、選手の名前と背番号が入っており、好きな選手のものを選ぶことができる。毎日20個以上が売れているそうで、たいへんな人気である。

日本代表「ケロロ軍曹」 
「東京流行通訊」で以前紹介した漫画「ケロロ軍曹」が、サッカー日本代表のユニフォームを着て応援キャラクターとして登場した。このケロロ軍曹のワールドカップ版は、もちろん日本代表オフィシャルグッズで、背番号は12番、名前は「KERORO」となっている。

サッカーワールドカップグッズを揃えてGO!  http://worldcup2006soccer.blog57.fc2.com/
 
世相・若者の生き方

女性オタクの聖地

「東京流行通訊」で以前紹介した日本の「女性オタク」について、覚えておられるだろうか?秋葉原で大流行の「メイドカフェ」に対抗して、今年初め、女オタクが集まる池袋の乙女ロードに、「B:Lily-rose」というカフェが開店した。

今のところ、男性のオタクが、馬鹿にされながらも堂々と「独特な文化」としての地位を築いているのに対して、女性のオタクは多くの場合メディアに「黙殺」されてきた。だが彼女たちは密かに、美少年同士の恋愛を愛好する「ボーイズラブ」文化を育んでいるのである。

「B:Lily-rose」は「男性メイド(ギャルソン)カフェ」であるが、男性の店員はおらず、ギャルソンはみな男装した女性である。なぜか?お客にしても店員にしても、本物の男性には心を乱されてしまう。神秘的で幻想的な雰囲気をかもし出しつつ、女性たちを安心した気持ちにさせるために、このような独特な宝塚風の方式を採用したというわけである。

「B:Lily-rose」の店内はとても温かい雰囲気だ。女性たちは男装した店員たちと楽しそうに談笑している。男性が訪れてみたい場合は、午後2時から6時までの間だけ入ることができる。だが、恋人同士で来る場合は制限がない。ここは女性のサロンのような場所であり、男性は「女の園」に足を踏み込んだような気分になる。

池袋の「乙女ロード」は、女性オタクの聖地である。女性たちのための漫画、フィギュア、コスプレなどの様々な店が集まる中で、「B:Lily-rose」は独特な光彩を放っている。

(C)b-lilyrose.com

「B:Lily-rose」公式サイト http://www.b-lilyrose.com/
 
編集後記

世界中のたくさんの老若男女が、緑の芝生と白いボールに夢中になっている。四年に一度、人類の精華を集めてその興奮が最高点に達するサッカーの祭典、ワールドカップに、どれだけの人が心を奪われて泣いたり笑ったりしていることだろうか。ワールドカップは、国家の威信と民族の期待を集めた一つのシンボルになっているのだ。

だが今回私は、日本地図の中でまったく目立たない小さな町に強く心を揺さぶられ、感動の涙を流すことになった。新潟県十日町市は、4年前のワールドカップ日韓共同開催で練習地としてクロアチアチームを迎えた。そして何回かの公開練習と子供たちとの友好試合を通じて、クロアチアチームはこの地の子供たちに大きな夢と誇りを与え、十日町市民との深い友情を育んだのである。その結果、毎年9月に「クロアチアカップ・サッカー大会」を開催するのが十日町市の慣例となった。

6月18日の晩。日本チームが、このクロアチアのチームと雌雄を決する運命になった。日本チームにとっては、負けてしまえば決勝トーナメントに進む機会を失いかねない。日本チームを応援すべきか?それともクロアチアチームを応援すべきか?十日町市民は、難題を突きつけられた。

かつて新潟大地震で痛めつけられたこともある十日町市の人々は、何と驚きの決定を下した。それは、両方のチームを応援するという選択である。日本チームのユニフォームの人々と、クロアチアチームのユニフォームの人々が街に出て、両チームを応援するという前代未聞の光景が繰り広げられた。

日本チームに対する誇りとクロアチアチームに対する愛情がこめられた「がんばれ!日本・クロアチア」というサイトで、彼らはこんなふうに書いている。「私たちが望むもの、それは両国代表が気高いフェアな精神で、持てる力をすべて発揮し、美しく心に響くサッカーを見せてくれることです。……私たちは、ワールドカップが、勝者・敗者という対峙した立場を作り出すだけではなく、勝敗を越えて永遠に輝く友情を生む、大切な機会であることを多くの人々に知ってほしいと願っています。」

この日、世界の中で私がすばらしいと感じる都市が、また一つ増えた。新潟県十日町市。この町は、比類ない奇跡を作り出したのである。私心のない誠実な心を持つ人々が、この世界に対して胸を張って歌い上げる。愛と友情には国境がないということを!