2006年4月5日第13号(通巻第29号) 毎週水曜日発行 ブログ 中文簡体 中文繁体
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ファッション・イベント

Paris の8人展 メルキュールの夕べ

渋谷のBunkamuraギャラリーで、8人の日本人アーティストによる合同展覧会が開かれている。25日(土)にはオープニングパーティが開かれた。出品者は全員パリ及びその周辺に暮らし、制作活動を30年以上にわたって続けてきた芸術家たちである。

宇津宮功(Isao Utsumiya)、甲斐雅之(Masayuki Kai)、新庄茂扶(Shigeo Shinjo)、田淵安一(Yasse Tabuchi)、楢葉雍(Takashi Naraha)、松谷武判(Takesada Matsutani)、森光子(Mitsuko Mori)、森山裕之(Hiroyuki Moriyama)の各氏(あいうえお順)。「芸術の都」で世界中から集まる新しい文化に触れ、自らの新しいアートの世界を構築すると同時に、その反作用として、自分が日本人であることを再認識してきた彼ら。異邦人として暮らすことは、自分自身の根底にある日本的なものを発掘することになった。彼らの制作が欧米で高く評価されるのは、作品に潜む日本の精神「禅」を感じることによるのではないだろうか。世界の中で日本人がいかに生きるか、日本とはなにか、パリからのアンチテーゼは我々の内面に鋭く問いかける。

会場:渋谷道玄坂 東急本店横Bunkamura Gallery

会期:2006年3月25日(土)〜4月4日(火)

会期中無休 入場無料

営業時間:10:00〜19:30(西岡珠実執筆)
(C)2006 TOKYU BUNKAMURA,Inc.
メルキュールの夕べ  http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/mercure06.html
 
家電製品・IT情報

回転寿司の清算システム

回転寿司のベルトコンベア機などを生産している石野製作所では、先ごろ IC タグを利用して瞬時に客の食べた回転寿司の皿数を読み取って清算を行うシステムを開発した。

これまで回転寿司の計算はたいへん面倒で、店員が手作業で皿数を数え、大きな声でレジに数を報告していた。数え間違えたときは、大勢の客が見ている前でもめることもあったし、一部の店では客が恥ずかしくないように金額を符丁でレジに伝えていたが、やはり人が数えるのでミスは避けられなかった。

だが、この簡易清算システム「OAISO」を使えば、10枚の皿が1.8秒、30枚の皿が4.4秒の速さで清算でき、顧客の別途注文を受ける機能も備えており、注文に応じたり清算したりするスピードも清算の精度も大幅に向上した。

一回で読み取れる皿数は最大999枚までで、メニューは40種類登録できる。

顧客が注文すると、店員はそれを厨房で寿司を握る従業員に無線LANで知らせる。また、内容をその場でプリントアウトでき、たいへん明瞭である。

今後は、回転寿司に食べに行っても、困惑するような場面にぶつかることはなくなるだろう。
OAISO(簡易清算システム) http://www.isico.or.jp/ib/item_11/oaiso.html
 
観光スポット・グルメ

健康食品を日米中で展開

4月3日、大塚製薬では新しいタイプの大豆栄養食品「SOYJOY」を発売した。これを契機として、大塚薬品は日本、アメリカ、中国の三ヶ国で一斉にブランド展開を行う。これは日本の健康食品史では珍しい試みだ。

「SOYJOY」の特色は、大豆の栄養にフルーツのおいしさを加えたところにある。大豆粉にフルーツをたっぷり加えて丁寧に焼き上げてあり、食感もよく、少量でも満足感が得られる健康食品である。

「SOYJOY」は「レーズンアーモンド」「カカオオレンジ」「アプリコット」「サンザシ」の4種類。様々なフルーツが、大豆の含む栄養成分(たんぱく質、食物繊維、ビタミン、カリウムなど)においしさをプラスしている。

大塚製薬は1973年にタイで海外事業を開始し、今では全世界の16の国や地域に55の関連企業を擁しており、販売総額は6838億円に及んでいる。今回大塚製薬が世界共通の「健康への願い」をターゲットとして発表した新製品は、日本→中国→アメリカの順で発売される。この新しい時代のグローバルビジネス戦略によって、関連商品のグローバルな競争力が高められるに違いない。
(C)2006 Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.

SOYJOY試食キャンペーンのサイト http://www.otsuka.co.jp/soy/camp_00.html

 
イベント掲示板
日本のナンバーワ

新幹線図書館

東京都昭島市には、ちょっと珍しい「新幹線図書館」がある。JR青梅線の昭島駅下車、徒歩約10分で団地に到着すると、そこに置かれた車両は、形も色も間違いなく東海道新幹線である。

車両は最前部の一両だけだが、バラ石の上に架設され、先頭の信号灯も明滅しており、時折汽笛も鳴る。是非一度、見に行ってほしい。

入り口には子供たちの脱いだ靴がいっぱいだ。そう、これは禁煙車であり、しかも靴を脱がないと入れない。内部の座席は元のままで、書架は前部に設置され、窓の上の網棚にも本が置かれている。この車両は1975年から正式に運行されてから16年走り続け、1991年10月に第一線から「引退」した後、 昭島市 が500万円で購入した。山口県の工場から船に乗せ、東京湾を経由して昭島まで運び、さらに工事費、書籍費などをかけ、全部で6200万円もかかったそうだ。

蔵書数は6000冊で、80%が子供用の書籍である。現在、一日平均貸し出し数は約400冊である。毎週水曜と金曜の午後1時半から4時半まで開館している。運転室はいつも、好奇心旺盛な子供たちでいっぱいである。

編集部からのお知らせ

「東京流行通訊」のブログが4月1日に公開されました。このメールマガジンに掲載されている話題のほかに、ブログ独自のコンテンツも続々登場いたします。どうぞ、お早めにアクセス

→私は日本と日本の電子製品がとても好きなので、「東京流行通訊」は私にとってたいへん重要です!読んでいると、とても興奮します。また、日本の人たちと友達になって、日本をもっと深く理解したいです。できれば、一回日本に行ってみたいです。【江蘇  lygmmmjk

→今後、日本関連の様々なことがらについて、みなさんのご協力を仰ぎたいと思います。これからも連絡しあいましょう!【香港 良友画報社  李以建

→「東京流行通訊」の内容はすばらしいですが、ちょっと深さが足りないと思います。特集や文化欄的なものを出したらこの問題が解決できるのではないでしょうか。【中国  wujw78

→今私と同室の友人は、日系企業と契約し、日本関係の仕事に従事する予定です。みな、一生懸命日本語を勉強しており、貴メルマガを定期購読しています。【杭州  lily
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花粉症とミントティー

アロマセラピー、ハーブセラピーなど、香りによる刺激や自然ハーブのエッセンス摂取が体調や精神状態を改善するという効果は、良く知られています。主にストレスの改善が一般的ですが、さらに一歩進んで、アレルギーにも効果があるという説があります。

先日、幕張メッセで開かれた第31回FOODEX JAPAN 2006の会場で「デトックス&抗アレルギーに特別なミントティーを!」と題するセミナーが行われ、ミント普及協会(代表取締役会長 北島勇氏)による講義を聴きました。それによると、抗アレルギー成分、ミントポリフェノールは、花粉症による軽度の鼻炎なら改善できるだけの薬理作用が認められているとのこと。ペパーミントのさわやかな香りの有効成分は「メンソール」で、胃酸の分泌を促して、消化機能を高めると同時に、感情の昂りを沈静化て心を落ち着かせる効果があります。

次に、お茶にしてエキス(ペパーミントエキスやテアニン)を抽出すると、消化促進や胃の不快感の解消のほか、口の中を爽やかにしたり、デトックス(発汗作用)効果が見られます。

また、抽出したオイルはアロマテラピーに用いられ、身体の緊張を取り除き、頭痛や肩の凝りを和らげます。オイルを抽出した残りには、ミントポリフェノールが多く含まれており、花粉症などのアレルギー症状をおさえてくれます。これまでは、精油抽出後捨てられていた葉も、製薬会社によって再利用されているとのことです。

抗アレルギー作用というと、抗ヒスタミン作用が一般的ですが、ミントエキスの作用は、ヒスタミンをブロックすることによるのではなく、マスト細胞(肥満細胞ともいう)からのケミカルメディエーター(ヒスタミン)放出を抑制するというメカニズムによるものだそうです。

自然食品で、香りもよく、美味しくて、鼻炎も軽減ということなら、楽しく無理なく花粉症とお付き合いするのに役立ちそうですね。 (Nya-nya執筆)
Photo by Tamami Nishioka
日本緑茶センター株式会社  http://www.jp-greentea.co.jp/
 
世相・若者の生き方

エイプリル・フールの話題

4月1日はエイプリル・フール。毎年、各メディアは面白いニュースを流して、ストレスの多い日常生活にやすらぎとユーモアを与えてくれる。

ところでここ数年は、どんなニュースがあっただろうか?

●ヤフー・ジャパンでは「赤ちゃん語」を使ってホームページを製作し、「おしゃぶり型」「哺乳瓶型」などの各種入力デバイスや赤ちゃん語翻訳ソフトを紹介した。もちろん、「大人語」への変換も可能である。

●楽天が運営するinfoseekでは、名称を「infoseeeek」と変え、各種サービスもそれに合わせてパワーアップし、「infoseeeek」のお天気コーナーでは、「責任」「急な仕事」「恋の予感」などの降りかかる確率も表示した。

●東京新聞では、「平成忠犬物語」を掲載し、リストラされた男性と路地裏の犬の友情を描いた。この犬を DNA 鑑定した結果、何と渋谷のハチ公の子孫であることが判明したということになっている。

●メイドカフェのサイト「カフェ・メイリッシュ」では、わざわざ特製のエラーページを作成し、その標題を「メイドさんが見つかりません」とした。その内容には「メイドさんは現在見つかりません。お店がなくなっているか、メイドさんが寝坊してるか、イベントに出かけている可能性があります」と書かれている。

●ソーシャルネットワーキングサービス「GREE」では、「初恋の人検索サービス」を提供した。
日本インターネットエイプリル・フール協会 http://www.aprilfool.jp/
 
編集後記

日本に対する最初の深い印象は、嗅覚による発見だった。

十数年前初めてこの島国にやってきた日の午後、目に入るものすべては、意外なことにそれほど見慣れないものとは感じられなかった。まるでちょっと遠出をしたか、国内で出張に出たような錯覚を覚えるぐらいだった。

だが、夕日が西に沈むたそがれ時、ある日本家屋に招き入れられた瞬間、今まで経験したことのないような、いい香りが鼻孔に入り込んできて私をはっとさせた。それが、生まれて初めての「畳」との出会いだった。畳の香りは私の嗅覚を鋭く刺激し、自分が異国に来たのだという実感がたちまちのうちに湧いてきたのである。

たたみ…たたみ…。中国にいたとき「畳」と言えば、誰でも条件反射的に日本を思った。しかし、多くの中国人は畳が普通のムシロと同じものだと思っている。ところが畳は、冬は暖かく夏は涼しいばかりか、室内の二酸化炭素を吸収して空気を浄化する作用もあり、特に通気性が非常によくて、雑菌も発生しないし虫も近づけないため、日本の家々でたいへん好まれているのである。

だが近年、高層ビルが都市の青空を占拠するようになり、家の中も豪華なじゅうたんやワックスのかかった床に覆われ、大理石の床まで登場して、古い歴史を持つ畳は次第に駆逐され、あの精神的安定作用のある日本の畳独特の香りを感じることはなくなってしまった。

ある冬のたそがれ時、私は河口湖畔の民宿旅館にいた。窓からは夕日に映えた富士山の姿がくっきりと眺められ、それが氷の張った美しい湖面に反映していた。その景色をうっとり眺めていた時、あの畳の爽やかな香りが漂ってきたのである。久しぶりに懐かしい香りに出会うことができて、この美しい島国への深い愛情が呼び覚まされる思いであった。