日本では春の桜と秋の紅葉が、春秋それぞれを代表する絶景です。四季のはっきりしている日本では、日本人だけでなく国外からの観光客にとっても、この目も心も楽しませる二つの自然の景観を鑑賞することが、季節の変化を迎える際の象徴的なイベントとなっています。紅葉狩りと言えば、多くの人が京都や東北を思い出すでしょう。しかし私は先日、佐賀県の大興善寺に行って、たいへん美しく色づいたカエデとイチョウの景観を見ることができ、今でも心に残って忘れることができません。
大興善寺は佐賀県の基山町にある山寺で、1300年以上の歴史を持つ古刹です。ここは、春のツツジと秋の紅葉の名所として知られています。紅葉観賞ならば私は他の場所でもしたことがありましたが、今回のように階段を上っていって、視野が急に開けて山全体が燃えるような紅葉に囲まれたり、秋の息吹に満ちた一面の黄色いイチョウの葉のじゅうたんを踏みしめたりすると、まるで美しい絵画の中に入り込んでしまったようで、本当に深い感動に包まれたのでした。寺に向かう途中にある階段の両側や、2012年7月に恋人の聖地に選ばれた「契山」のふもとにある大興善寺公園を中心として、深い緑からオレンジ色へと変化した、西に沈む夕陽にも似た燃えるような色のカエデの木がたくさん聳え立ち、紅葉と古刹がゆったりとした雰囲気を作り出しています。その情景は本当に美しく、本物とは思えないほどで、あまりの美しさにシャッターを切る手が止まらなくなってしまいました。
今年の大興善寺の境内で最も紅葉鑑賞に適した時期は、11月中旬から12月初旬にかけてで、夜間のライトアップは11月23日〜25日と12月1日〜2日の17時から20時までが予定されています。500円を支払えば、神秘的で静かな紅葉の夜景を鑑賞することができます。今年の紅葉の季節を迎えて、大興善寺ではさまざまなイベントを用意しています。例えば23日には「大興善寺きものの日」が行われ、和服を着て大興善寺公園に来た人は、入園券売り場で記念品をもらえます。
音楽の好きな人は、11月24日に大興善寺境内西側の熊野神社参道へコンサートを聴きに行ってはいかがでしょう。それとも、爽やかな季節の散歩を楽しみたいですか?それなら、11月25日に行われる「JR九州ウォーキング」は逃せません。それからもう一つすばらしいのは、紅葉の期間に、大興善寺の重要文化財の仏像「多聞天」と「広目天」が同時に一般公開されることです。自分の二つの目とカメラのレンズで、あの息をのむほど美しい紅葉の美を捉えたい人は、是非是非大興善寺を訪れて紅葉狩りを楽しんでください。(哈日杏子執筆、撮影)