ロンドンオリンピックの開幕もまもなくだ。この四年に一回のスポーツの祭典は、今回も世界中の人々の注目を集めている。近代オリンピック大会はアテネで第一回が開催され、これまでに百年あまりの歴史を持っている。元々古代ギリシャに起源を持つオリンピックだが、現在では世界平和と友情のシンボルになっている。一方、各回の開催国は、オリンピックを世界に向けて自国の文化を発信する千載一遇のチャンスと考えている。世界各国の人々も、それぞれの方法でこのスポーツの祭典を祝うが、中でも重要なのは、人々が情熱を傾けて自国の代表選手の応援をし、選手たちが世界の舞台で大活躍するのを願っていることである。
ところで日本では、世界各国のおいしい料理を紹介するサイト、e-food.jpが、2012年ロンドンオリンピックの206の参加国の国旗の弁当を作るというイベントを行った。たいへん興味深いのは、彼らが各国の国旗の弁当を作る時に、できるだけその国の伝統的な料理を利用していることである。できあがった弁当は精巧で美しく、大いに賞賛を浴びている。彼らのサイトでは、完成した弁当の写真を載せ、作り方の紹介や、各国の国旗の意味を紹介している。我々はグルメを楽しむと同時に、各国の料理や文化についても理解を深めることができるのだ。
近代オリンピックの発祥地であるギリシャの国旗弁当には、ギリシャの伝統料理パスティチョと黒オリーブが使われている。乳白色のパスティチョの上に黒オリーブで国旗の模様が描かれ、シンプルで明解だ。今回のオリンピック開催国であるイギリスの弁当にはイチゴ、ブルーベリー、メレンゲが食材として使われており、赤白青の三色がイギリスの国旗を完全に再現し、色も味も完璧である。中国の国旗弁当には、日本で最も人気があり、中国の特色を充分に備えた麻婆豆腐が使用されている。赤くて辛い麻婆豆腐の上には、五つの黄色い星の装飾があり、本物の国旗そっくりで、正に中国の特色を備えた弁当だと言えるだろう。日本の国旗弁当は、たぶんみなさんにも想像がつくことだろうが、日本の伝統的な、梅干を載せた日の丸弁当である。
これらの精巧な国旗弁当は、我々に幸せなおいしさを与えてくれるだけでなく、見た目もとても楽しい。最初にも書いたように、我々はこの機会に、各国の食事や文化を理解し、友情を伝え合いたいものだ。これこそ、正にオリンピックの精神なのである。さあ、早速これらの弁当を作ってみよう!(小雅執筆)