夕陽が西に傾き、空の色が次第に暗くなる。藍色の夜のとばりの下、枝に溢れるのは雪のように輝きながら舞い落ちる桜の花。そして桜の木の下には、同じように輝くたくさんのイルミネーション。桜の花とイルミネーションが輝き合って、光に照らされた夜桜は初春の寒さと共に訪れた雪片のようでもあり、湖上の蒸気と共に立ち昇った深い霧のようでもある。無数のイルミネーションが、まるで夜桜のおぼろな色に染められたように光り輝き、まるで仙境のようだ。
神奈川県相模原市のアミューズメントパーク「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」で、3月20日から4月8日まで、「さがみ湖イルミリオン−夜桜イルミネーション−」というイベントが開催される。日中は、公園内の「お花見列車」や「お花見座敷」を利用して、自然の中の爽やかな空気を楽しみながら美しい桜を鑑賞することができ、夜には、関東地区最大級の300万個のイルミネーションが、夜桜とのコラボレーションで夢のような情景を作り出す。
「光の夜桜」をテーマとした区域では、足元にはピンクのイルミネーションが輝き、頭上には照らし出された夜桜が広がるので、桜がイルミネーションの色に染められているのか、イルミネーションが桜の色に染められているのか戸惑ってしまうかもしれない。また「光の海」をテーマとした区域では、足元の青いイルミネーションが桜を一面青色に染め上げ、まるで桜の花が水上に浮かんでいるようでたいへん美しい。一年の中で、「この世のものとは思えない」ほどの絶景が見られるのは、希望に満ちたこの春だけである。
東京都内からは、JR中央線で相模湖駅まで行ってバスに乗り換えるか、または京王線で橋本駅まで行ってバスに乗り換えればよい。丸一日遊びたい観光客のためには、豊富な内容がセットになった宿泊商品が準備されているので、見逃さないように!今年の春は家族連れで、あるいは友だちや恋人と一緒に、夜桜イルミネーションを見に行こう。そして過去の悲しみや苦しみは忘れて、明日に向かって、春のように暖かい希望に向かって行こう。(小雅執筆)