今年の夏の空気には、微かな悲しみと名残惜しさが混ざり合っている。8月27日の夜、日本の国民的アイドルAKB48の絶対的エースだった前田敦子が、自分の夢が始まった原点――秋葉原のAKB劇場に戻って、AKB48での最後の出演となる卒業公演を行った。これによって彼女は、自分とAKB48のメンバーたちをこの7年間応援してくれたファンたちに対して、感謝の気持ちを伝えたのだ。
時間は2012年3月25日にさかのぼる。あっちゃんは、さいたまスーパーアリーナでの3days公演の最後の日となったこの日の舞台で、会場の2万5千人の観衆に対して、涙を浮かべながらAKB48からの卒業を宣言し、現場は騒然となった。卒業のニュースは、翌日の各メディアを席巻した。あっちゃんのこの卒業のニュースは多くのファンを動揺させたが、彼女のこの決定は彼らの支持と声援を得ることができた。そしてファンたちは、卒業後の彼女の芸能界でのさらなる活躍を願ったのである。
あっちゃんの卒業を祝福するために、8月24日から27日まで、東京で最もにぎやかな駅の一つである秋葉原で、「祝!AKB48卒業記念 前田敦子ポスター展in JR秋葉原駅」が開催された。4日間のポスター展では、あっちゃんがAKB48に入ってから現在に至るまでに参加したインタビューやイベントや広告写真など、150種の写真をポスターにし、彼女のAKB48での7年間の成長の過程を展示した。また、あっちゃんの卒業を祝って、秋葉原のメインストリートである中央通りの両側には、5メートルおきに「祝、前田敦子AKB48卒業」と書かれたピンクののぼりが掛けられた。27日の最終公演の開演数時間前には、AKB劇場があるドン・キホーテのビルの前にたくさんのファンが集まった。多くの人は会場に入って前田敦子に最後の祝福を送ることができなかったが、一人一人が自分の方法で彼女への愛を表現し、心からの祝福の気持ちを伝えたのだった。
前田敦子は14歳でAKBに入り、7年の間にAKBの不動の中心となり、自分の努力によって仲間たちを率いてきた。最初は観客がたった3人だった劇場から一歩一歩成長し、ついに劇場から1830メートル離れた東京ドームまでたどり着いた。この7年の間、我々は彼女たちの成長と彼女たちの友情を目撃してきた。AKB48をただのアイドルだと言ったら、それは正しくない。AKB48は一冊の本、友情と涙と汗を織り交ぜて記録した、啓発書のようなものなのだ。そして前田敦子は、その本の不変のテーマなのである。(Luc執筆、撮影)