「エコ」という言葉は、現代生活の中で毎日のように見たり聞いたりしている。一体エコとは何かと言えば、大体の人の解釈はおそらく大同小異で、我々自身の生存環境を守り、地球の自然資源を守るということになるだろう。先進国であればあるほど、そして先進的な企業であればあるほど、エコ意識も相対的に高く、そのために行っている努力も大きい。だがよく考えてみると、ガソリンで動き、二酸化炭素を排出するエコ宣伝カーがあちこち走り回っているのは、実に滑稽な光景だ。エコを宣伝しつつ、環境も破壊しないという目標を実現するために、TOTOが開発した究極のエコの乗り物、「排泄物」で走る「トイレバイク ネオ」が、エコの宣伝のために一ヶ月をかけて日本を縦断した。
最初の行程は、福岡から東京までの1400キロに設定された。座席に目をやらなければ、この三輪バイクはとても現代的でかっこよく、エコと結びつけるのは難しい。だがその座席は普段からよく見なれている便器の形なので、初めて見た人は誰でも笑いをこらえきれないだろう。誤解されないように言っておくと、このバイクは運転者の排泄物で動くわけではなく、日本ではそう多くない排泄物処理場で集めた家畜の糞尿や生活排水から作り出されたメタンを主成分とするバイオガスが動力源となっている。ガスを満タンにすると、連続300キロ走行できる。8月29日に東京近郊の大宮でデモンストレーションをした時は、美人モデルの平塚千瑛さんがライダーだったが、彼女の名誉を守るために、TOTOの担当者は、平塚さんがバイクに燃料を提供しているわけではないと説明していた。バイクの後部には巨大なトイレットペーパーが取り付けられており、日本最大のトイレ用品企業はなかなか周到である。バイクにはLEDディスプレイもついていて、みんながツイッターで発信するメッセージを表示している。
エコを宣伝する時に環境に優しくないのでは、本末転倒である。ハイブリッドカー、電気自動車、酸素燃料など、今世界では、新型エネルギーに注目が集まっている。そこでTOTOではエコを宣伝するために、世界で最も環境に優しい宣伝バイクを使っているというわけだ。TOTOのもう一つの目的は、最新式の節水型便器の宣伝であって、これもエコと深く関わっている。これまでに500人がこのトイレ型のバイクにまたがって、エコと直接触れ合った。現在このバイクは、去年被災した東北地方の応援のために、一路北上を続けており、今月の8日には福島、9日には青森、15日には仙台に現れる予定である。チャンスがあれば、みなさんもこのユーモアにあふれるエコバイクを是非見に行っていただきたい。(緋梨執筆)