切手というものは、手紙を出すときに封筒に貼り付ける支払証書であるだけではない。数世紀の発展を経て、切手はすでに国にとっての「名刺」のような存在になっている。小さな小さな切手が、世界に向かって自国を紹介する窓口としての重責を担っているのだ。そこで、各国の郵政部門は最も美しい風景や、最も代表的な人物や、記念する意義のある事件などを切手のテーマとして選んできた。一枚の切手の背後には、膨大な専門分野の知識が控えているのだ。その結果、「切手収集」は優雅で、長い歴史的意義を備えた収集活動となっており、収集家たち自身も、ほとんどが各分野の基礎知識を備えた雑学家だと言える。
さて「アニメ王国」の日本では、2005年からアニメをテーマとしたシリーズの切手を発売している。日本のアニメや漫画について、我々は実際知りすぎるほど知り尽くしている。漫画本を買ったことがない普通の中国人でも、少なくとも5つぐらいは日本のアニメの題名を言うことができるだろう。間違いなく日本はアニメ天国であり、40年以上の発展の後、21世紀のアニメ産業の時代に入り、これは日本経済を支える基幹産業ともなっている。日本の国策が「経済立国」から「文化立国」に転換してから、アニメをテーマとした切手を発行しようという声が、切手収集家とアニメファンの間で日々高まってきたのだ。
2005年6月、日本郵政公社は「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」の切手の発売を開始した。この新シリーズの第一作では、「ポケットモンスター」の主人公であるピカチュウとその友人たちがテーマとなり、その後数年間の間に「機動戦士ガンダム」「銀河鉄道999」「名探偵コナン」「新世紀エヴァンゲリオン」「未来少年コナン」「機動警察パトレーバー」「ゲゲゲの鬼太郎」「NARUTO-ナルト-」「ケロロ軍曹」「鋼の錬金術師」「ちびまる子ちゃん」「ONE PIECE」「ベルサイユのばら」「ドラゴンボール」がこのシリーズのテーマとして選ばれた。
こうしたシリーズの他にも、日本郵政はいろいろな機会に特別の記念切手を発行している。例えば今年の5月1日には、人気アニメ作品「宇宙兄弟」の実写映画上映を記念して、この映画をテーマとした切手が発売された。国の郵政機関だけでなく、地方の県や市の郵政機関でもその地方の特色を持ったアニメ切手を発行しており、日本全国や世界に向けてその土地の特徴を紹介している。(凱特執筆)